本研究は、パーリ仏教教義集成 Sarasangaha(以下<Ss>)のデータベース構築とその思想的研究についての昨年度からの継続研究である。本年度は、研究代表者と研究分担者(柏原)以外に、山本和彦(大谷大学特別研究員)、茨田通俊(東方研究会専任研究員)両名の協力を得て、次のような研究成果を得た。 1)昨年度作成された<Ss>のデータベースを再点検して、完全なテキスト・データベースとして、完成した。 2)上記データベースを基にして、パーリ語による一語索引を作成し、索引・データベースを構築した。 3)パーリ語によるデータベース構築の方法とその問題点について、口頭及び論文で研究発表した(分担者:柏原)。 4)<Ss>校訂出版の意義、著者と成立地・年代及び思想的特質、さらに、上記索引・データベースにより、<Ss>における他のテキストからの出典一覧を作成し、論文として発表した(代表者:吉元)。 5)上記出典一覧を分析し、出典の特質とその思想的背景について、口頭及び論文として研究発表した(代表者:吉元)。 <Ss>のテキスト・データベースの公開については、版権所有者英国PTS協会の許可が困難であるとのことで、その索引公開についてのみの許可を求めたところ、少数で、販売しないという条件付きで許可されたので、上記成果論文以外に索引・データベースを報告する。ただし、これを印刷すると膨大な紙数になるので、フロッピ-ディスクのテキストデータとして添付する。
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