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1993 年度 実績報告書

ビタミンE慢性欠乏ラットの学習障害に関する生理心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05610055
研究機関筑波大学

研究代表者

一谷 幸男  筑波大学, 心理学系, 助教授 (80176289)

研究分担者 岩崎 庸男  筑波大学, 心理学系, 教授 (70092509)
古川 聡  筑波大学, 心理学系, 助手 (70229110)
キーワードビタミンE / 学習・記憶 / アセチルコリン / ラット
研究概要

ビタミンE(α-トコフェロール)の慢性欠乏が,ある種の学習・記憶行動の阻害をもたらすことが報告されているので,本年度はこのような障害の基盤となっている中枢神経系における変化を検討した.とくに学習・記憶との関連が示唆されている脳内アセチルコリン神経系に焦点をあてて,生化学的な分析を行なった。
被験体としてラットを用い,生後4週令よりビタミンE欠乏食,添加食,または対照食で24か月齢まで飼育を続けたところ,これら3食餌群の血中および脳内ビタミンE濃度には,有意な差が認められた.3群のラットの脳を取り出し,脳内アセチルコリン系の活動の指標として,アセチルコリンの合成酵素であるコリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT),およびアセチルコリンの分解酵素であるアセチルコリンエステラーゼ(AChE)の活性を測定した.その結果,CAT活性,AChE活性のいずれも,測定された脳部位すべてで,長期にわたるビタミンE欠乏とビタミンE添加による変化は認められなかった.
従って,ビタミンE慢性欠乏による学習障害の原因を,脳内のアセチルコリン系酵素活性の低下に帰することは困難であり,この神経系内の受容体の変化,あるいは他の神経系の変化等を検索する必要があると考えられる.
さらに,ビタミンE欠乏による学習障害は脳内だけではなく,脊髄,脳幹の痛覚伝導路,あるいは末梢神経系における障害にもとづく可能性もあるため,これらの部位での変化についても組織学的検討を始めた.

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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