室蘭市に進出してきた36企業のうち、先端技術産業に分類され15社の経営者または工場責任者に面接し、企業の概要と室蘭市に移転、あるいは工場進出を行った事情について詳しく聴くことができた。さらに各企業に従業員アンケート調査を依頼し、214票を回収することができた。その結果次の諸点が明らかにされた。 1、関東地区からの進出企業が圧倒的に多いが、工場拡大のための土地がなかった。室蘭市の地価はきわめて低く、土地の収得が容易であった。 2、関東地区では労働力が不足しており、外国人労働者よりも鉄の年の伝統が生きている室蘭市の労働力を選択した。 3、製品は金型などの小型軽量高価格のものが多く、航空便もしくは宅急便で本州各地の目的地へ迅速に輸送でき、遠隔地がハンデになっていない。 4、さらに本社や親企業との連絡はコンピュータ通信を利用し、設計図等もコンピュータで制作し、そのまま送信できるので、ハンデにならない。 5、しかし、遠隔地の雪国への進出は不安が大きかったが、室蘭市企業誘致室の熱意がこの不安を解消した。
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