研究課題/領域番号 |
05610185
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
前川 久男 筑波大学, 心身障害学系, 助教授 (50165635)
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研究分担者 |
高橋 尚子 筑波大学, 心身障害学系, 助手 (70261766)
佐島 毅 筑波大学, 心身障害学系, 助手 (20241763)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 他覚的視力検査 / OKN / 視覚障害 / ONN視力 |
研究概要 |
重複障害児や乳幼児を対象とした他覚的視力検査としてのOKN法の適用の可能性について検討するため、養護学校小学部の知的障害児30名に対象に回転ドラムを用いて用いてOKNの測定を試みた。その結果、被検児の中には転導性が高く注意の持続が困難な場合や、回転する視標に対した嫌悪反応を示す場合も見られた。また、どのうよな測定条件がOKNを誘発し視力を推定するために妥当性と信頼性が高いかを明らかにするため、指標の移動速度および視標のサイズがOKNに及ぼす効果について、晴眼条件、屈折異常条件、混濁条件、視野狭窄条件下で検討した。その結果、縞幅を細くしていくにつれてOKNが誘発される視標の移動速度は遅く、晴眼条件においても縞幅25'の視標では500〜750Hz程度の視標の回転速度が適切であると考えられた。屈折異常条件・混濁条件では、縞幅を細くしてOKNを観察する場合、さらに遅い回転速度が適切であるとも考えられた。一方で、縞幅25'の視標は視力に換算すると0.04であり、晴眼条件の視力値とかなりギャップがあった。視野狭窄条件では、OKNを誘発しやすい縞幅および回転速度が他の条件に比べて限定されていた。すなわち、視野等の被験者の視力以外の見え方の状態によってOKNの振幅や一周期の移動時間に与える効果が異なると予想される。OKNによって視覚刺激の入力に対する反応を観察することは、重度重複障害児においても非常に有効な手段である。視力や視野等の見え方の状態と視標の縞幅および視標の移動速度の関係についてさらに検討し、ある範囲で視力を特定てきるとするならば、臨床的応用におけるOKN法の持つ意義は非常に大きいと考える。また臨床的応用という視点においては、刺激の提示距離あるいは提示する刺激のサイズが、対象児の検査への興味の持続にどのような効果をもたらすかについても検討する必要があろう。
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