研究概要 |
我々は、本研究代表者を委員長とする横浜市における学習上特別な配慮を要する児童・生徒の教育に関する実態調査から明らかにされた5つの因子(教科指導・不器用さ・多動・生活習慣の未熟さ・社会性の未熟)を検討し(小林他,1994;永松他,1994)、関連研究の基礎データとあわせて、Clumsy Childrenスクリーニングテスト(質問形式、以下CCSTとする)を開発した。そして、CCSTを神奈川県下の小学校児童(2年)328名(男子179名・女子149名)に実施し、本検査の信頼性、さらに、スクリーニングされたClumsy Childrenの実態・特性等について検討を進めた。テストの結果から、グレイゾーンの児童を含めると、35名の児童が運動面での配慮を必要とする子供であることが明らかになった。加えて、この35名の臨床研究の結果、これらの子供達は、巧緻性、力動的エネルギー因子に、ついで、身体意識、バランス、微細運動の順に全体の平均に対して有意な差をもって遅れが認められた。そこで、彼らの発達援助のためのム-ブメント教育プログラムは、フロスティッグのMGLプログラムをベースに、巧緻性、力動的エネルギー・身体意識・バランスの各因子を含めて基本コンセプトを作成していく必要のあることが示唆された(これらの結果については、日本特殊教育学会第33回大会で発表した)。
|