研究計画1年目の作業は、主に2つあった。その第1は、1994年8月に実施する第3回目の追跡調査実施の前年度として、第1、2回の調査データを整理し、そのデータベース化を行うことであった。この作業は、パソコンソフトを活用し、データの今後の利用をしやすくするとともに、第3回目の追跡調査結果との比較分析を容易にするためのものであった。研究作業の2つめは、アンケート内容の再吟味とそのためのインタビュー調査の実施であった。継続調査であるからして、質問の基本的内容は同じでなければならないが此れ迄の実施結果から削除可能なもの、新たに加えなければならないものなどの再検討が必要であった。 第1の研究作業に関しては、特に時系列的な分析が必要な質問項目(教職観や教職イメージ、力量形成上の諸契機など)について綿密に再整理を行った。その結果、特に新任1年目から5年目への時期が「教職イメージ」の変容が顕著であり、それは各コーホート共通する特徴であった。この点で第3回目の追跡調査が期待される。第2の研究作業に関しては、今後更に調査を強めねばならない質問内容として、女性教員の力量形成に大きな影響を及ぼす生活実態に関する項目や赴任校における教員集団の雰囲気とインフォーマルな人間関係に実態に関する項目などが再認識された。これらは、第1、2回の調査結果を再検討し、かつ事例的に実施した調査対象者に対するライフコースインタビューから再認識された事柄である。 現在、1994年8月の本庁差実施に向けて調査内容に再度の検討を進めている。
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