本研究は、小・中学校教師の専門的な力量の解明を目的としたものである。この研究目的のために、次の3つの問題を解明しようとした。すなわち、a)教師のライフコースにおいて、いかなる出来事が、タ-ニングポイントを引き起こしがちであるのか、b)教師のライフコースにおいて、いつタ-ニングポイントが生じるのか、c)教師のライフコースにおいて、いかなる状況の下で、タ-ニングポイントは生じるのか、という3つの問題である。 その解明のために、教師のライフコースを調査対象として、2つの調査方法、すなわち質問紙法による量的な統計的分析とインタビュー法による質的な事例的分析を用いた。それらの結論は、次の2つの報告論文としてまとめたが、詳しくは別冊最終報告書を参照されたい。この結果、各コ-ホ-トにおける教育原体験や歴史的出来事の影響の大きさとその影響内容の違い、また男性及び女性教師のライフコースにおける「人生の同行集団」の違い等が認められた。 (1)1437名の小・中学校教師をライフコースを対象として、質問紙法により力量形成過程を把握し、分析を行った。 (2)それらの対象者の中から16名を抽出し、インタビュー法により一層綿密な力量形成過程の分析を行った。
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