研究概要 |
本テーマ論究のために、具体的に、次の三個所のフレーベルハウス(Frobel-Haus)における活動(幼稚園の実践)を、文献、R.Westermann;Die Frobel-Renaissance in Thuringen,1943を利用し、解明した。 1.バート・ブランケンブルク(Bad Blankenburg)のフレーベルハウス 2.シュワイナ(Schweina)のフレーベルハウス 3.チューリンゲン=フレーベル協会(Thuringer Frobel-Verein)とオーベルヴァイスバッハ(Oberweiβbach)におけるフレーベルハウス。 次に、チューリンゲン以外への拡がりとして、 1.ドイツフレーベル協会(ベルリン)とそこでの活動(幼稚園の活動)を文献、J.Voβ;Geschichte der Berliner Frobelbewegung,1937を利用してベルリンのフレーベル運動をペスタロッチー・フレーベルハウス(Pestalozzi-Frobel-Haus)を中心に論究した。 全体的傾向として、1.チューリンゲンにおけるフレーベル式(主義)幼稚園活動の特徴としては、フレーベルの幼稚園運営(活動)の形式主義(恩物等の使用法)が強く維持されているのに対して、ベルリンでの運営では、例えば、H.シュラーダ=ブライマンの場合のように「フレーベル理念の継承者」と言われる場合でも、かなり新たな理念(「生活を通じての生活への教育」)、新たな形態による運営がなされている。しかし、これらの理念、形態も、19世紀末から20世紀にかけて次第に「幼稚園の学校化」、教科の「体系化」が進行し、フレーベル式幼稚園の変質がなされるようになる。
|