研究概要 |
本年度の研究は、まず、妹尾達彦『唐代長安城関係論著目録』(1983年)の改訂作業を行い、1984年以後の唐長安城関係の論著を付け加えると同時に、唐代洛陽関係の論著目録を作成し、『唐両京関係論著目録』の作成を行なった。作業は順調に進んでいるが、論著数は相当な数(全1000点以上)に及び、これらに一応目を通して、適正な分類・整理を完成するまでには、なお数か月の日数を要す。 また、唐代両京の都市文化に関しては、「白居易と長安・洛陽」(『白居易研究講座 第1巻』勉誠社、1993年6月)を公刊し、93年8月には、香港で開催された国際東洋学者会議(ICANAS)において、“The Urban Social Structure of Luoyang"と題して研究発表を行い、同年11月の東洋史研究会大会と中国史学会大会において、それぞれ、「唐代洛陽城の都市社会構造」、および「隋唐都市史の基本問題」と題する研究発表を行なった。これらの学会報告の場で、本研究課題の進行状況を披瀝して批判を仰ぎ、新情報も獲得することができた。また、香港での学会報告の後に、中国の洛陽・西安を巡り、唐代両京を専門とする研究者と懇談して、中国大陸における研究の現状を把握することもできた。 今年度の成果をまとめるべく、現在、3月末までを目処に、「唐長安城の官人居住地」「唐代長安人口再析」“The Urban Social Structure of Luoyang",“Chang'an:The History of the relationship between the urban structure and the state ritual at the Chinese capital"等の論文を執筆中で、それぞれ所定の学術誌に掲載が予定されている。
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