今年度は、三年間の研究期間終了年次にあたるため、(1)史料蒐集の継続、(2)蒐集史料の整理、(3)史料の分析と報告書作成作業、の三つの作業を平行して行なってきた。 (1)としては関連史料の購入の外に、主に康煕・雍正・乾隆三代の「宮中档」中の課題関連史料、及び中国東半・北半地域から北西地域にかけての地域の物質・商品流通に関する史料を中心に、必要史料の抽出・コピー作成・タイトルのパソコン入力を行ない、また各種文献中の課題関連史料についても、同様作業を行なった。(2)としては、国際共同研究の一員として北京で史料調査を行なった際、本課題関連の史料として、第一歴史档案館当局のご好意により、同館所蔵の「雍正三年戸部銀庫大進黄冊・大出黄冊」等清代前期の財政史料若干点のマイクロフィルムを入手することができ、これをリーダープリンターでプリントした。これらの各種プリントは項目別に分類整理を行なった。(3)として、史料の分析を進めつつ報告書の一部とする論文作成作業を行なってきたが、中国で蒐集した膨大な上記の「黄冊」類や「〓批奏摺」等の新入手史料の読解分析が進むにつれ、発表を予定していた論文の手直しの必要が生じたため、論文として発表するのを見合わせ、本報告書に収めるべく現在手を加えつつある。
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