1.平成5年度に実施した、岡山県上房郡北房町定東塚・西塚古墳の第1次発掘調査の出土資料について整理をおこなった。これによって、定東塚古墳→定西塚古墳→定北古墳→大谷1号墳という、7世紀代の方墳の系列と厳密な年代ががほぼ明らかになった。 2.平成4年度で調査を終了した定北古墳の発掘調査報告書の刊行のための作業を進めた。平成6年度中に報告書が刊行される予定である。この報告書で、研究課題のひとつである、陶棺や須恵器の編年にもとづく吉備地域の7世紀の古墳の編年の研究成果が公表される。 3.畿内の巨石墳および終末期古墳の踏査をおこない、石材加工技術の発達の観点から、新しい編年案をまとめた。この研究成果については、平成7年6月に刊行予定の論集に掲載される。 4.古墳の築造に用いられた方位および尺度の研究から、国家権力による度量衡の整理・統一の過程を整理中である。 5.平成7年度以降に、コンピュータによる地理情報システム(GIS)を用いた整理と研究を実施する計画をもっていたが、平成6年度に英文マニュアルの読解をほぼ終え、基本的な操作・処理技術を修得そ、本格的に稼働させる準備を整えた。
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