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1993 年度 実績報告書

平家物語読み本系諸本の成立過程に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05610369
研究機関国文学研究資料館

研究代表者

佐伯 眞一  国文学研究資料館, 整理閲覧部, 助教授 (80153831)

キーワード平家物語読み本系 / 四部合戦状本平家物語 / 源平盛衰記 / 保暦間記
研究概要

まず『保暦間記』の主要な伝本を実地に調査し、写真を収集した。収集した『保暦間記』の写真などにより、『平家物語』関連部分の本文対校を開始した。未だ一部分にすぎないが、『保暦間記』諸本論の範囲において、現在の定説となっている、益田宗氏「保暦間記の文献批判学的研究」(日本学士院紀要16-3、昭和33年11月)の説と異なる結論に至る可能性が出始めている。具体的には、益田氏のいわゆるalpha系である慶長古活字本の系統と、beta系である村岡典嗣旧蔵(天理図書館現蔵)本・国会図書館本及び和学講談所旧蔵(国立公文書館現蔵)本の系統との関係が、益田氏によればalpha→betaの関係とされているが、実は逆ではないかということである。これは、同書の本文調査を通じて中世に流布した『平家物語』本文の様相を探ろうとする本研究にとって大変重要な問題であり、今後、『保暦間記』の対校本文と『平家物語』の諸本本文とを詳細に比較することによって、研究を深めてゆかねばならない点であると思われる。そうした調査を通じて、『保暦間記』が依拠した『平家物語』本文がどのようなものであったか、とりわけ四部合戦状本『平家物語』や『源平盛衰記』との関係を明らかにし、平成6年度中には何らかの形で発表できるものと考えている。
なお、『保暦間記』伝本調査の過程で、『保暦間記』の伝本研究としてもこれまで最も詳細な益田宗氏の前記論文に取り上げられていない、天理図書館本・関西大学本等も調査したが、京都大学蔵本は現在調査不能の由であったことを付記する。

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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