研究概要 |
本研究は,範疇的にも機能的にも様々のものが含まれている英語の副詞を,実際に文の中で用いられる位置やその修飾機能の分析に基づいて,英語の副詞の特徴を明らかにすることを目的としている. 本年度は,3年計画の初年度として次の三つの問題を中心に研究を行った。 (1)副詞はどのような基準で,どのように下位分類するのが適当であるか. (2)副詞は文構造においてどのような資格をもち,どのような位置に生ずるか. (3)副詞の基本的な位置はどこで,どのような位置には移動できるか. 具体的には,これまでの英語の副詞の用法に関する研究のうち,上記の問題を特に扱っているJacobson(1964)Adverbial Positions in English,Jacobson(1975)Factors Influencing the Placement of English Adverbs,Greenbaum(1969)Studies in English Adverbial Usage,Huang(1975)A Study of Adverbs,Quirk et al.(1985)A Comprehensive Grammar of the English Languageという研究についての分析を基礎として,次のような検討を行った。 (1)副詞の用法の説明と副詞を分類する基準について,Quirk et al.(1985)にみられるadjunct,disjunct,subjunct,conjunctという4つの下位分類の妥当性を検討した. (2)副詞が文の中で生ずる位置とその際の修飾機能を,Jacobson(1964;1975),Greenbaum(1969),Huang(1975)にみられる副詞の用法の説明を中心に検討した. (3)文の中で複数の位置に生ずる副詞の修飾関係の相違点を,多義的な用法をもつ副詞の例を具体的に見ながら,検討した.
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