研究概要 |
今回のプロジェクトは数年前から続けてきたプロジェクトの第2期目ともいうべきものである。すなわちこのプロジェクトは1911年当時カフカが見たインディッシュ演劇の台本13本をローマ字に転写し、併せてドイツ語による詳注をつける作業であるが、第1期目(平成2〜3年度)にはそのうちの6本を終了した。今回は残り7本のうちの3本、「パル,コクバ」(84頁)、「シェヒテ」(81頁)および「町参事会員モイシェ・ハイエス」(63頁)についての転写作業である、しかし作業開始後2ケ月余りたって、これまで精力的に協力してくれでいたネイティブスピーカーの一人より、体調がすぐれないためできれば代理を見つけてほしいとの申し出があった。そこで研究代表者(筆者)は急きょ代理を見つけるべく直ちに世界各地の知己を通じて適当な人物を紹介してくれるよう要請したのだが、これがなかなか成功せずかなりの日数を要した。またそのような人物がようやくみつかっても、いざ詳しい作業内容を知ると辞退されることもあり簡単には承諾してもらえなかった。そのような次第で、一時は作業の完成が危ぶまれたが、10月頃になってようやく適当な人物がイスラエルで見つかり、3本のうちの1本の作業を手伝ってもらって何とか当初予定した作業を終了した。 なお詳注については今回は難語が非常に多くとうてい手がまわらなかった。これは当初から予想されたことである。今後1年程度の時間をかけて完成の予定である。
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