現代日本語の名詞シソ-ラスを作成しながら、語彙の意味分類の研究を行なった。 このシソ-ラスは、パソコン内に構築されている。また、検索ソフトを作成したので、いつでも柔軟な検索ができるようになっている。 シソ-ラスの記述は、上位/下位関係と同義関係を基準にしている。一部に、全体部分関係の記述が含まれる。 現在までに、約6万語の名詞見出しが整理された。このシソ-ラスを通して現代日本語の名詞の意味分類ができあがりつつあるが、こうして似た意味の単語をまとめてみると、全体が不整合になる現象が発生する。そこで、ある単語のグループを取り出して、そのグループが確かにグループになっているかどうかを検討することにした。このプロセス自体が研究であった。 検討結果をもとに、パソコン内のシソ-ラスの記述を改訂した。 これまでの手続きにより、名詞シソ-ラスの公開の準備が整った。 シソ-ラスができあがってくると、上位/下位関係とは何かという問題について考察を加えることが可能になってきた。その結果、上位/下位関係は「文化」(ある言語の母語話者が共有するものの見方)であるという結論になった。
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