研究課題/領域番号 |
05620044
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
森田 朗 千葉大学, 法経学部, 教授 (80134344)
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研究分担者 |
小川 有美 千葉大学, 法経学部, 助手 (70241932)
小林 正弥 千葉大学, 法経学部, 助教授 (60186773)
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キーワード | スウェーデン / ノルウェー / 地方自治 / 中央集権 / 分権 / ODA / 制度建設 |
研究概要 |
平成5年度における本研究の目的は、北欧諸国の行政・地方自治構造に関するデータ収集、並びに日本との比較分析のためのアウトラインの把握であった。この結果として、スウェーデンに関しては統計的な資料、歴史的な研究書、政策研究書等をほぼ計画通り入手することができ、次年度における操作的、数量的比較研究の準備の展望ができている。しかし北欧の中のもう一つ重要な類型であるデンマーク、ノルウェーについては情報量の低い資料しか現在見出せないため、北欧全体としてのデータベース化にはばらつきがある。そのため比較分析の方法については今後検討が必要である。 なお、本研究代表者・分担者間で逐次研究会議を重ねた結果、北欧の中央-地方関係はヨーロッパでもこの地域固有の行政構造体系に基礎をおいていることが確認され、行政構造における分権性・集権性の普遍的パターンや多様な政策領域と地方自治レヴェルとの連関等を観察することが、比較政治学的にもっとも重要な特徴を取り出せるという見通しが得られた。そこで今年度は、ノルウェー、スウェーデンについて政府報告書がかなり入手できる対外援助政策(ODA)領域を重点的ケーススタディとして行った。その成果は平成6年中に刊行される論文集中にて発表される予定である(森田朗・小川有美共執筆論文・現在校正段階)。この論文では、北欧特にスウェーデンでは中央省庁よりも下位の行政機関、自治体に政策実施の権限が構造上多く分担されていること、また小国としての対外政策・援助政策に地方自治のノウハウ(制度建設等)が活用されていること、を明らかにした。
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