研究概要 |
平成5年度における研究としては、同年度「科学研究費補助金」申請の際に提出した「平成5年度研究計画」のほぼ80%を消化した。 具体的には、1.二宮尊徳に関する調査と研究会報告・論文執筆、2.イギリス「重商主義」についての解釈論の研究(邦訳)、3.学会報告(経済学史学会)の三点である。その内容は次のようである。 1.二宮尊徳関係:(1)調査・史料収集;【.encircled1.】栃木県二宮町(桜町陣屋跡・二宮神社)、【.encircled2.】今市市(報徳文庫・報徳仕法地・二宮神社)、【.encircled3.】小田原報徳資料館・尊徳記念館、(2)研究会報告;尊徳『三才報徳金毛録』(報徳理論)についての報告(国学院大学「芝蘭会」10月)、(3)同『三才報徳金毛録』についての論文執筆(「研究発表欄」を参照)。 2.イギリス「重商主義」研究:J.Viner,“Mercantilist Thought"(The International Encyclopedea of the Social Sciences,ed.David L.Sills,Vol.4,1968,reprinted in Daglas A.Irwin,ed.,J.Viner,Essays on the Intellectual History of Economics,Oxford,1991.)の訳出(400字×60枚)。 3.学会報告:「経済学史学会」第57回大会報告(金沢大学・11月);報告課題「近世日本の経済思想と『重商主義』-概念導入上の問題と検討-(科学研究費申請「研究課題」と同一課題) 【同学会では、過去5年間にわたる報告者の近世日本の「重商主」思想研究(日本的「外国貿易型『重商主義』思想研究)をもとに、上述したJ.Vinerの「重商主義」論を紹介し、Vinerの多様な解釈を導入・応用しつつ、二宮尊徳を代表例とする「日本的・農業型『重商主義』」論を提示した。】 なお、その他、近世日本「重商主義」思想に関する研究史の整理をおこなった(400字×90枚)。
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