研究概要 |
平成5年度は初年度なので,産業立地に関する理論的な問題に取り組んだ.以下は,本年度に刊行された論文についてごく簡単に述べる. まず商業施設に立地について.Universite de Paris I-SorbonneのJacques Thisse教授との共同研究を行い,ワーキングペーパーにまとめた(No.19).これは,空間的寡占の下で,価格競争と立地競争がもたらす経済的帰結を扱ったものであり,近々Regional Science and Urban Economics誌(Vol.24)に掲載される2次元モデルの論文と密接に関連している. 住宅立地については,不動産市場の分析を行い,ワーキングペーパーにまとめた(No.20).これは,大阪大都市圏の地価データを用いた実証分析と,空間立地理論および非線形価格理論に関する分析である. さらに,都市内の交通混雑と集積の経済性に関して,大阪の八田達夫教授と共同で論文をまとめ,日本経済新聞社から刊行された.この研究を理論的に詳しく分析したのが,Journal of Urban Economics誌(Vol.34)に掲載された論文である.
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