研究概要 |
日本の銀行制度を歴史的に検討し,それらが安定的であったかどうか,制度的変化がいつ起きたのか,そうした変化をもたらした原因は何であったか,等の問題を考察した。とくに1927年のいわゆる昭和金融恐慌時の銀行休業の実証的分析は,その後の政府の銀行政策に対する一つの評価基準を与えるものであり,興味深いものである。それは,“The Stalility of the Japanese Berhing System:A Historical Perspective"として発表し,またより詳細な分析は「日本の銀行システムの安定性:歴史的展望」としてまとめた。こうした歴史的計量は分析と同時に,マクロ経済と金融危機との関連を景気循環理論の視点から理論的に分析した。これは,「経済変動と金融危機」としてまとめた。これは倉沢・若松・浅子編「構造変化と企業 行動」(日本評論社)(近刊)に収録される予定である。また理論的な観点から金融システムを分析する書物をまとめる過程にも入っている。
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