本研究は歴史的分析を主とするものであると同時に、すぐれて現代的な状況認識が大切なものと考え、いくつかの企業を訪問した。またそもそも本研究の着想が自動車産業の研究から得られたものであることもあり、産業一般に広げることは研究をすすめる上で有益でないと判断した。と同時に、地域的にも限定的に行った方が研究の取りまとめに有益と考えるようになった。こうした観点から、研究の焦点を愛知県の自動車関連産業にすることとした。また「名古屋製造業者案内」と「名古屋工場要覧」を利用して、データベースを作成した。両者のデータベース化したことで、統制経済に組み込まれる直前の名古屋市において。どのような業種がどの程度の規模であったかをかなり具体的につかめることになった。しかし、企業が所蔵する資料で公開できるものは少なく、その意味では研究上のネックとなった。 本研究のとりまとめを行う時期になったので、最初は英文としてトヨタ自動車を中心にした下請け関係の形成を″The formation of the suppliers′relationship at Toyota"として概括的に取りまとめ、その後データベースを利用下研究を発表する事にした。
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