研究概要 |
平成5年度においては、新金融取引についての基本的問題点を浮き彫りにするために、広く国内外の関連文献の収集・分析を行った。具体的成果は、次のとおりである。 1.新金融取引の代表的取引形態の1つであるスワップ取引を対象として、その認識・測定・開示に係る諸問題の考察を行った。 2.新金融取引の開示に関して、特にリスクの観点から概念的フレームワークの構築を行い、新金融取引全般にわたる開示の理論的基礎を提示した。 3.新金融商品の会計基準に関して、オーストラリア公開草案第59号「金融商品の会計基準」(1993年3月)を採り上げ、国際会計基準委員会の公開草案第40号(E40)との比較のもとで、その特徴と問題点とを検討した。 これらはいずれも当初の課題である。新金融取引に関する理論的基盤の構築に向けての研究成果を示すものであり、平成6年度では、これらの研究成果を踏まえて、オプション取引,複合金融取引,先物・先渡取引等、その範囲を拡充し、内容的に一層深化させていく予定である。
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