研究課題
この研究は、可換代数の研究を中心に関連した研究が研究代表者及び研究分担者によりなされた。まず研究代表者によるものは、Cohen-Macaulay局所環の極大イデアルに付随する準素イデアルのヒルベルト多項式の係数に関する結果が二つ得られている。その一つは、大石彰氏の定義による切断種数をより適切な定義に置き変えることにより切断種数1の準素イデアルの特徴付けを二次元の場合、一部高次元の場合に与えたことである。これは一昨年Sally女史の得た結果を、その背景となる事実を解明することににより導かれた。他の一つは、ヒルベルト多項式の三番目の係数e_2に関する新しい不等式を得たことである。これは研究代表者自身が数年前に得た正規ヒルベルト多項式の係数に関する結果が、通常のヒルベルト多項式の係数についても整閉イデアルを含む多くの場合に成立していることの保証を与えるものである。これらの結果は関連する部分があるので、一つの論文として現在準備中であり、Journal of Algebraに投稿する予定である。研究分担者による主な成果としては、加藤久男による"Continuum-wise expansive homeomorphisms"がCanadian Journal of Math.に、阿賀岡芳夫による"On the curvature of the homogeneous apace U(n+1)/U(n)"が広島大学総合科学部紀要に、水田義弘による"Spherial means of Beppo Levi functions"がMath.Nachr.に発表された。この研究の所期の目標は完全に達成したとは言えないが、目標に大きく近づく成果が得られたと思われる。今後この研究を継続させ、より充実した結果が得られることを期待している。
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