研究分担者 |
一瀬 孝 金沢大学, 理学部, 教授 (20024044)
石本 浩康 金沢大学, 理学部, 教授 (90019472)
藤本 坦孝 金沢大学, 理学部, 教授 (60023595)
林田 和也 金沢大学, 理学部, 教授 (70023588)
古田 孝臣 金沢大学, 理学部, 教授 (50019452)
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研究概要 |
Mを小林昭七氏の意味での双曲型多様体とする。このとき,複素平面CからMへの正則写像は定値写像に限る。それでは,この逆は成立するか?この問題に対しては,D.EisenmanとB.A.Taylor両氏によりC^2内の具体的な領域の中で反例が見つけられた.しかし,Mが“何かしらの条件"をみたすならば,この逆が成立するのではないだろうか?実際R.Brody氏によれば,もしもMがコンパクト複素多様体であれば,Mが自明でない複素直線を許容しない,すなわちCからMへの正則写像は定値写像に限るならば,Mは双曲型であることが証明された.その後,このR.Brodyの結果は,本研究代表者である児玉によりエルミート多様体(M,ds^2_M)で,あるMの正則自己同型からなるリー群Gで,ds^2_MがG-不変であり,かつM/Gがコンパクトの場合に一般化された.1990年に,ドイツの数学者J.Winkelmannは児玉の結果を用いて,Mにある可解リー群GがMの正則変換群として推移的に作用する場合には,「Mが双曲的であることとMが自明でない複素直線を許容しないことが同値である」という定理を証明した.今年度の我々の研究目標は,一般のリー群GがMに推移的に作用している場合に,このJ.Winkelmannの定理が成立することを示すのが第一の目標であったが,残念ながら最終的にはこれを証明することが出来なかった.しかし,Mに位相的な条件「Mが可縮である」をつけたならば,J.Winkelmannの定理は一般のリー群Gに対しても成立することが証明出来た.いずれまとめて発表する予定である.なお,上記の結果を出すにあたり,Aut(M)の構造の研究に関しては,主に古田,藤本両教授があたり,CからMへの正則写像の研究には林田,一瀬両教授があたり,またMを位相的な見地から石本教授が研究し,研究代表者の児玉がこれらの研究の総括にあたった。
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