研究課題/領域番号 |
05640155
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片岡 清臣 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (60107688)
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研究分担者 |
武部 尚志 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助手 (60240727)
堤 誉志雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (10180027)
大島 利雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50011721)
小松 彦三郎 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011473)
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キーワード | 超局所解析 / 境界値問題 / 混合問題 / 擬微分作用素 / 超函数 / 偏微分方程式 / 特異スペクトラム / 代数解析 |
研究概要 |
1。線形微分方程式系の境界値問題、混合問題に関して;研究代表者による混合問題の代数解析的アプローチ(すなわちD-加群を使った表現)の中で中心的役割を果たすあるD-加群の構成に関し、簡明かつ直観的な構成法が得られたこと。これは主方程式系の生成元とヘビサイド関数との形式積全体によって生成されるD-加群と簡単に述べる事ができ、直接的には証明の簡素化に役立ち同時に地震波の方程式の解析など、応用に際し物理学的意味などの理解にも役立つ。また境界で退化した場合、例えば確定特異性をもつ場合などにもこれと並行した議論を使って混合問題を定式化、かつ解析する事ができるであろう。 2。コロンボーの一般関数に関して;従来の定義では積分値が1であり、多くのモーメントが消えているようなコンパクト台の滑らかな関数を一つ固定する毎に"一般関数"の滑らかな関数によるイプシロン近似を与えてきたが、ここではイプシロン近似そのもののあるクラスとして一般関数を定義してみた。これによりいわば従来のひとつのデイストリビューションはいくつかの異なる一般関数としての表現をもつことになる。したがって非線形演算を行う際にはやはり不定性が伴うことになるがこの解釈の方が素粒子論など数理物理的立場からは自然であると思える。ただし、イプシロン近似を使った後の議論はコロンボー理論と並行し、積や特異性、解析性、波面集合なども扱える。
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