楕円型作用素のAtiyah-Singer指数およびAtiyah-Bott-Lefschetz-Singerの不動点公式を用いて、拡張二木不変量(すなわち、リー環準同型である二木不変量のリー群準同型への拡張あるいは持ち上げ)を具体的に計算する公式を得た。さらにこの計算公式を用いて以下の結果を得た。 (1)正の第一チャーン類とgenericな複素構造を持つ複素2次元のケーラー曲面の拡張二木不変量は、そのケーラー曲面がアインシュタイン=ケーラー計量を持つ場合またはその場合に限って消える。 (2)完全交叉多様体のある一般的な自己同型に対しては、拡張二木不変量は消える。(注意:完全交叉多様体は常にアインシュタイン=ケーラー計量を持つだろうと予想されている。) さらに楕円型作用素のdeterminantを定義し、それを不動点公式を用いて具体的に計算する公式を得た。またその反用としてWittenのホロノミー公式の特別な場合を証明した。 また、二木不変量あるいはその一般化である二木=森田の不変式のリー群準同型への持ち上げを楕円型作用素のdeterminantを用いて定義し、さらにそれを具体的に計算する公式を与えた。
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