研究課題/領域番号 |
05640176
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森本 芳則 京都大学, 大学院・人間環境学研究科, 助教授 (30115646)
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研究分担者 |
畑 政義 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (40156336)
上 正明 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (80134443)
河野 敬雄 京都大学, 総合人間学部, 教授 (90028134)
宇敷 重廣 京都大学, 大学院・人間環境学研究科, 教授 (10093197)
浅野 潔 京都大学, 大学院・人間環境学研究科, 教授 (90026774)
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キーワード | 局所可解性 / 準楕円性 / 楕円曲面 / 二重対数関数 / 自己相似関数 / 電気回路網 / カオス / Lagrange plane |
研究概要 |
偏微分作用素がもつ超局所的な正値性が、解の存在と解の構造を決定することに着目し、偏微分方程式の局所可解性、解の微分可能性と分岐について、確率論、微分位相幾何学、数論、フラクタル理論等の関係ある各分野からの協力を得て総合的研究を行った。代表者は、極めて弱い正値性しか持たない無限次退化の主要型擬微分作用素が準楕円型になるための十分条件をL^2-評価式の形で与え、更に、Nirenberg-Treves(Ψ^^-)条件をみたすEgorov型作用素P=Dt+it^<2s>(D_<x1>+f(t)x^<2b>_1|D_x|),f(t)〓C^∞,f'(t)>O(t≠0)を含むある種のモデル作用素にこれを適用し、その準楕円性と共役作用素の局所可解性を示した。作用素Pは、f(t)=t^k(k 奇数)のとき、Egorov-Hormander等によって研究された劣楕円型作用素の重要なモデルで、Pの準楕円性と共役作用素P^*の局所可解性は彼らの一般論から従うが、f(t)=exp(-|t|^<-k>),k>0といった無限次で消える場合には、局所可解性さえも全く未知であった。分担者、浅野は超局所解析の立場から、R^nの領域を基礎空間とする相空間で定義されたHamiltonianが正定値条件を満たすとき、Hamilton flowに沿って動くLagrange spaceが、ほとんどいたるところ基礎空間とtransversalであることを示し、分担者、宇敷は電気回路網の挙動を支配する微分方程式系に対して、コンファイナーの概念を用いて解の分岐現象を調べた。分担者、河野は解の微分可能性と関連して、自己相似関数の見本関数を局所時間の性質を利用して調べた。分担者、上と畑は、擬微分作用素のシンボルの幾何的、代数的性質を解析する立場から、それぞれ、楕円曲面から派生した複素構造をもたない4次元多様体の構成及びDonaldson不変量と、二重対数関数の有理点での無理数度について調べた。
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