研究課題
1.不確定性を含まない確率制御問題の研究について本年度の主な成果は、時間平均コスト最適停止問題に関して吸収壁をもつマルコフ確率過程の場合に解法を求めたことである。これは研究発表欄にあげた論文で発表予定となっている。さらに本研究費を使って他大学の研究者との活発な議論を重ねた結果、反射壁をもつ場合の問題に対してもこの方法を発展させると解決できる目途がついた。工学のシステム制御との関連では、本研究費を使って資料収集ができた。しかし問題点の所在を突き止めただけで成果をあげるまでに至っていない。これからの課題となろう。2.不確定性を含む確率制御問題の研究について不確定性を含む確率微分方程式に対する自己調整型制御問題は、未解決問題として世界の研究者のテーマとなっていた。本研究費によってこの問題解決のための端緒を切り開くことができた。現在その成果は論文として投稿中であるが、これからこの分野の研究を発展させていくうえで重要な役割をするものと思われる。今後も他大学の研究者との活発な交流を欠かすことができない。3.数理物理や分布定数系に表れる逆問題の追求について木曽、田沼教官に本研究費によって微分方程式論に関する各種の研究会に出張していただいた。それらの成果は論文として発表予定または投稿中となっている。4.不確定性によって引き起こされるカオスのフラクタル解析について主として津田教官に本研究費を使って出張していただき、他大学の研究者と活発な議論を重ねて充分な成果を得た。フラクタルと工学の画像処理との関連を一層追求していく方向が見いだされた。5.不確定性に対する統計的パターン認識からのアプローチについて若木教官に本研究費によって統計学の研究会に出張していただいた。定期的なセミナーを行って知識の拡充をはかってきたが、今後も追求する必要がある。
すべて その他
すべて 文献書誌 (1件)