研究課題/領域番号 |
05640300
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
馬場 直志 北海道大学, 工学部, 助教授 (70143261)
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研究分担者 |
磯部 〓三 国立天文台, 助教授 (20012867)
三浦 則明 北海道大学, 工学部, 助手 (30209720)
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キーワード | 天体スペックル干渉法 / 位相シフト法 / 像再生 / 高解像イメージング |
研究概要 |
地上からの天体観測では大気の影響は避けられず、このため、空間分解能は著しく制限される。この大気ゆらぎ効果による空間分解能の劣化を、位相シフト法を利用して克服するのが本研究の目的である。本研究では、通常のスペック像と可変形鏡などにより既知の位相シフトを与えた際に観測されるスペック像を同時に測定し、一組のスペックル像と位相シフト量の情報をもとに高空間分解能再生像を得るものである。 本年度は、提案した方法の計算機シミュレーションを主として行った。像再生アルゴリズムとしては、雑音に対する適応性という観点から逐次的方法に基づいたアルゴリズムを開発した。ここでは、近年盛んに研究されているブラインドデコンボリューション法的アイデアを取り入れた。また、2枚のスペック像では物体関数が共通であるという拘束を組み入れた。 先ず、シミュレーションの天体として、多重星およびある程度拡がった物体を想定した。位相シフトには、単なるデフォーカスと、簡単な補償光学系による波面補正との2つのケースを考えて与えた。この場合、スペックル像が撮像フレームからあふれることはない。データフレームに雑音を加えて像再生を行った結果、SN比が10dB程度であっても再生像が得られることがわかった。ただし、SNが悪い場合には、複数組からの再生像を平均化することが肝要であることもわかった。 次に、太陽像のように、スペック像がデータフレームからあふれる場合についてもシミュレーションを行った。このときには、位相シフトとしてはデフォーカスのみを想定した。このようなとき、逐次的アルゴリズムに画像データを入れる前に、適切なアポディゼイションをデータフレームに施さねば良好な結果が得られないことが判明した。
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