1.多チャンネル偏波計により、大きなファラデー効果が予想される電波源95個の候補について偏波観測を行い、内35個についてファラデー回転(RM)を求めた。その中で数1000radm^<-2>を越えるものは5個で、それ以外は1000radm^<-2>以下であった。電波とガスの相互作用が強いと考えられるCSS天体やX線から推定される銀河団中のガスに関連づけられる密度の高いガスの存在を確認することはできなかった。 QSOに付随した強い吸収線を示すQSOのRM値は途中の銀河に起因する吸収線を示すQSOより大きい。この大きなRM値は電波源の高密度ガスと電波長軸に平行な磁場によって引き起こされたと考えられる。 43GHz偏波観測により、銀河系中心の弧状構造は50%に達する高い偏波率を示しており、その磁場は垂直フィラメントにそって並んでいる。大きなファラデー回転(3000radm^<-2>)により銀河中心における消偏波の性質を説明できる。 93個のコア優勢の電波源について波長3cmのフラックス密度と直接偏波の観測を行った。そのうち、18個はブレイザーに分類され、残りの67個は非ブレイザーである。観測から、ブレイザーと非ブレイザーとは明白な区分があり、必ずしもコア優勢の電波源の全てがブレイザーであるとはいえないことがわかった。
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