研究課題/領域番号 |
05640311
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
黒河 宏企 京都大学, 理学部, 助教授 (80135508)
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研究分担者 |
船越 康宏 京都大学, 理学部, 教務職員 (80127133)
北井 礼三郎 京都大学, 理学部, 助手 (40169850)
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キーワード | 太陽活動 / 太陽面爆発 / 浮上双極磁場領域 / 太陽フレアー / 太陽サージ / 磁気リコネクション / Hα単色像 |
研究概要 |
飛騨天文台のドームレス太陽望遠鏡を用いた観測によって、太陽面爆発現象のエネルギー蓄積機構を調べる為のデータを取得するとともに、順次それらの解析を行った。 1.観測成果の概要 (1)活動領域誕生初期におけるサージ活動 太陽の対流層で生産された磁束管が光球面上に浮上して黒点領域が形成される際、その最も初期において、活発なサージ活動が発生することが、kurokawa(1988)によって発見され、新浮上磁場と周囲の旧磁場との再結合モデルがkurokawa&Kawai(1993)によって発表されているが、このモデルを支持する新たな観測例が得られた。 (2)浮上双極磁場領域中のフレアー活動 平成5年5月2日〜8日及び8月2日〜12日の二回にわたって、宇宙研のX線観測衛星Yohkohと協同観測を行った。この期間中、8月10日に出現した活動領域NOAA7562は最も活発なフレアー活動を示したが、この原因はその特異な磁場構造によるようであり、注目に値する。 2.NOAA7270領域の解析 1992年9月5日〜7日にかけて急激に浮上発達して、活発なフレアー活動を超こしたNOAA7270領域の解析から、次の結果を得た。 (1)NOAA7270領域の9月5日〜7日にかけた急激な発達と活動は、6対の双極磁場が次々と或いは同時に浮上する事によってもたらされた。 (2)この間の活発なフレアー活動は磁気シアーの発達した三箇所に集中して発生した。 (3)この磁気シアーはいずれも、光球下から捻れた磁束管が浮上してきたことによって、形成された。 (4)先行黒点の西側に見られた活発なサージ活動は、新浮上磁場と周囲の旧磁場との再結合によって引き起こされた。 これらの結果は、平成5年7月の日中ワークショップと9月の甲府国際シンポジュームで発表された。
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