2次元量子重力の動力学的性質の研究として、これまで2次元量子重力のフラクタル構造を数値的及び解析的に調べる事を目標にしてきました。その結果数値的に確立された2次元量子重力のフラクタル構造にたいして一つにはLiouville理論による解析により数値実験と一致する結果が得られました(河本、佐伯、綿引)。他方において行列模型と組み合わせ的手法を組み合わせることによりc=0模型のtransfer matrixを厳密に求めその連続極限をとることに成功し、その結果を応用してスケーリング則を見つけその普遍関数及びフラクタル次元を導くことに成功した(川合、河本、最上、綿引)。この結果は、津田及び湯川氏によって数値的にも見事に一致することが示された。その後我々はc=-2の模型に於いてもスケーリング則が存在することを数値的に示したが物質場がはいった場合のtransfer matrixの導出は難しい事がわかり解析的にその普遍関数を導くことには成功していない。このように2次元量子重力のフラクタル構造は数値的にも解析的にも重要な特性であることが解ってきた。現在これまでの我々の仕事をまとめた総括の論文を執筆中である。
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