研究課題/領域番号 |
05640339
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山脇 幸一 名古屋大学, 理学部, 助手 (90135301)
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研究分担者 |
近藤 慶一 千葉大学, 理学部, 助手 (60183042)
三田 一郎 名古屋大学, 理学部, 教授 (60242806)
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キーワード | 対称性の力学的破れ / 4体フェルミ相互作用 / ティリング模型 / 隠れた局所対称性 / シュウインガー・ダイソン方程式 / カイラル対称性 / 光円錐量子化 / ゼロ・モード |
研究概要 |
研究計画に沿って、とくに4体フェルミ理論の相構造と光円錐量子化における対称性の自発的破れとを中心に研究を遂行した。 4体フェルミ理論については、従来カイラル対称性の力学的破れは起こらないと思われていたTtirring模型(ベクトル型4体フェルミ相互作用をもつ4次元以下の模型)でも、Gross-Neveu型(スカラー・擬スカラー型4体フェルミ相互作用をもつ4次元以下の模型)と同様、カイラル相転移が起こっていることをSchwinger-Dyson方程式の枠組で示した。これは、Thirring模型を「隠れた局所対称性」をもつゲージ理論として定式化することによって初めて、曖昧さのない明確な形で結論できたものである。論文は伊藤多一・金〓培・杉浦方紀・山脇幸一の共同論文としてProgress of Theoretical Physics 93巻2号(1995年)417頁-439頁に発表。 一方、光円錐量子化については、有力な非摂動的アプローチとして近年脚光を浴びているが、カイラル対称性の自発的破れをいかに定式化するかが焦点になっており、ゼロ・モードが注目を集めている。益川敏英・山脇幸一(1976年)の発見したゼロ・モード拘束条件を非摂動論的に解く試みが最近盛んに行われているが、今回の研究では、カイラル対称性のあらわな破れのない場合には、ゼロ・モード拘束条件を解いても自発的破れの解は実現されないことを非常に一般的な枠組みと具体的な線型シグマ模型の両方で示した。あらわな破れを最初系に入れておいて最後にゼロにすることによりこれがゼロ・モードの赤外正則化との役割を果たすことを示した。論文は金〓培・辻丸詔・山脇幸一の共同論文で、プレプリントはDPNU-94-56およびDPNU-94-57。 その他トップ・クォーク凝縮模型におけるトップ・クォークおよびヒッグス・ボソンの質量予言値の改良を行った。論文準備中(犬飼岩和・棚橋誠治・山脇幸一)。
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