研究概要 |
平成6年度は平成5年度にひきつづき、行列模型で与えられるいわゆるc≦1の2次元重力でdressされたひもの理論の研究と、量子可解系のスペクトル、相関関数、それに付随する代数構造に関する研究とを平行して行った。 前者に関しては、前年度行った1‐plaquette modelとc=1 stringのnonperturbative effectに関する研究をさらに発展させて、いわゆる多重臨界点での解析を行った。 (M.Koikeとの論文、Phys.Rev.D,to appear)今年度後半はM2のM.Anazawa及び基研宇治の研究員A.Ishikawaと協力して、two matrix modelからminimal modelが重力にcoupleした系に対するAnnulus(two‐loop)amplitudesを求めた。この計算に関しては、現在N‐loop amplitudesへの拡張が進行中である。後者の量子可解系に関する研究としては、筑波大学の伊藤克司氏と協力して、Ising modelを例にとって、相関関数において角転送行列が果たす役割を精力的に調べた。相関関数に対する積分表現を得たが、残念ながら現在の時点では確定的な結論に達していない。今年度後半は文田(D3)、大田(武)(D2)と協力して、XXZ spin chainのtwistの変化によるlevel crossingを調べた。Berry Phaseの計算、2,3string解の形成とそのfluctuationなどで著しい結果が得られた。
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