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1993 年度 実績報告書

大型フッ化カルシウム蛍光検出器によるスピン結合型宇宙暗黒物質の探索

研究課題

研究課題/領域番号 05640348
研究機関大阪大学

研究代表者

田中 純一  大阪大学, 理学部, 助手 (70236595)

研究分担者 岡田 憲志  京都産業大学, 理学部, 助教授 (90093385)
大隅 秀晃  大阪大学, 理学部, 助手 (70176882)
キーワード宇宙暗黒物質(DM) / スピン結合型DM / CaF_2(Eu)検出器
研究概要

CaF_2(Eu)がスピン結合型宇宙暗黒物質の探索に極めて有利である事に着目し、CaF_2(Eu)検出器の特性について、1)発光量 2)α線のレスポンス 3)低エネルギースレッショルド 4)低バックグラウンドの調査を行った。
発光量は^<241>Amの60keVのγ線のピークの位置を用いて測定され、NaI(T1)検出器の約50%である事がわかった。α線による発光量のレスポンスはCaF_2(Eu)結晶に直接α線源をつけて測定し、同じ運動エネルギーの電子による発光量のレスポンスに対し約18%である事がわかった。エネルギースレッショルドは低エネルギーX線による較正の結果、約5keVである事がわかった。これらの性能は全て宇宙暗黒物質を探索するための条件を満たしている。
低バックグラウンド測定はCaF_2(Eu)の周囲に10cm×10cm×10cmのNaI(T1)検出器を配置し、宇宙線によるバックグラウンドを除去した。
更に、その周囲を厚さ5cmの無酸素銅と厚さ10cmの高純度鉛で囲み、環境放射線を遮蔽した。その結果、低エネルギー領域のバックグラウンドの計数率は約200/kg/day/keVになった。この値は、地上に於ける測定では極めて低い計数率である。
高エネルギー領域のバックグラウンドには数本のα線のピークが見られた。これは全てウラン系列の放射性同位元素によるものと同定され、それらがピークを作る事からCaF_2(Eu)の結晶内に含まれている事がわかった。
以上の研究により、CaF_2(Eu)結晶を用いて宇宙暗黒物質の探索を行う事は極めて有望である事が明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Fushimi: "Application of a large volume NaI scintillator to search for dark matter" Physical Review. C47. 425-428 (1993)

  • [文献書誌] H.Ejiri: "Search for spin-coupled dark matter by studying the axial-vector excitation of nuclei" Physics Letter. B317. 14-18 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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