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1993 年度 実績報告書

電弱過程における高次補正と新しい模型の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 05640351
研究機関広島大学

研究代表者

小平 治郎  広島大学, 理学部, 助教授 (40127080)

研究分担者 大野木 哲也  広島大学, 理学部, 助手 (70211802)
牟田 泰三  広島大学, 理学部, 教授 (80025353)
キーワード標準模型 / 場の理論 / 輻射補正 / 対称性の自発的破れ
研究概要

ゲージ対称性およびその破れの機構を検証するためには,ゲージ場自身の結合の構造を調べることが重要である.電子・光子叉は光子・光子散乱によるWボソン生成過程は最低次でその結合が現れるため有用な過程である.そこで先ず,その様な過程が実験的に可能であるかという観点から,初期状態の光子のエネルギー分布を求め,ビームの偏極度,ルミノシティーをどの様に測るかについての提案を行った(発表論文1).次に,この過程に対する標準模型の輻射補正を計算した.新しい模型の可能性を探るためには標準模型の予言を正確におさえておく必要がある.現在,解析的計算は終了しており,後は数値化するのみである.試みに,フェルミオンからの補正を数値的に求めた結果,10パーセント程度の輻射補正があることが解った.
対称性の破れに関し,ヒッグス粒子は重要な情報を与えてくれる.そこで超対称性を持つ模型で,くり込み群を利用してヒッグス粒子の質量を求めた.高次補正の入れ方等理論的に不明瞭な点を明かにするとともに,次主要対数近似で質量を計算した.結果はトップクォークの質量に依存するが,くり込み群の影響で質量は1-ループの計算結果より10GeV程度軽くなることが解った.超対称模型を実験的に検証する上で重要な結果である.成果は論文にまとめ投稿中(フィジカル・レビュー)である.
動的対称性の破れから,どの様な現象が示唆されるかについても考察した(発表論文2).ヒッグス粒子が複合粒子の場合,CP対称性が動的に破れる可能性があることが解った.一方,動的対称性の破れについての理論的考察として,重力を背景場としたときの南部-ジョナ・ラシーノ模型の振る舞いを調べた.その結果,重力の大きさによって対称性がどの様に変わるかの相構造を得ることができた(発表論文3).

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yoshiaki Yasui: "Measuring the beam polarizations and the luminosity at photon-photon colliders" Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A. 335. 385-396 (1993)

  • [文献書誌] S.Hashimoto: "Dynamical CP violation in composite Higgs models" Physical Review D. 48. 1301-1309 (1993)

  • [文献書誌] T.Inagaki: "Nambu-Jona-Lasinio model in curved space-time" Modern Physics Letters A. 8. 2117-2123 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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