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1994 年度 実績報告書

GaAs/AlAsタイプ-II超格子における準直接遷移型励起子に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05640382
研究機関大阪市立大学

研究代表者

中山 正昭  大阪市立大学, 工学部, 講師 (30172480)

キーワード半導体超格子 / GaAs / AlAs / タイプ-IIバンド構造 / 準直接遷移型励起子 / 励起子分子 / フォトルミネッセンス
研究概要

電子と正孔の最低エネルギー状態が空間分離されているGaAs/AlAsタイプ-II超格子における準直接遷移型励起子[AlAs-X電子とGaAs-Г重い正孔の対]の強励起効果を解明することを目的として研究を行い、これまで全く報告されていなかった励起子分子形成に関する明確な実験結果を得た。試料としては、(GaAs)_m/(AlAs)_m超格子[m=8,9,10,12,13原子層]を用い、極低温において発光特性の測定を行った。
(1)発光特性の励起光強度依存性を系統的に測定し、準直接遷移型励起子発光の低エネルギー側に、発光強度(I_<PL>)が励起光強度(I_E)に対して超線型的な依存性(I_<PL>∝I^<1.6>_E)を示す発光バンドを全ての試料において検出した。励起強度依存性と発光バンド形状の理論的な解析から、上記の発光バンドが励起子分子によるものであるという結論を得た。また、これまで知られているGaAs量子井戸の直接遷移型励起子分子と比較して、1/100以下の非常に低い励起強度(1mW/cm^2程度)において、準直接遷移型励起子分子が十分に形成されることが明らかとなった。
(2)準直接遷移型励起子と励起子分子の発光強度の時間分解測定を系統的に行い、励起子分子の発光減衰寿命が励起子の約1/2という結果が得られた。これは、励起子分子の動的過程の典型的な特徴である。
(3)準直接遷移型励起子分子の結合エネルギーは、実験結果から、約2〜3meVと推定された。この値は、これまで知られているGaAs量子井戸の直接遷移型励起子分子の結合エネルギーよりも2〜3倍大きな値であり、その増強の原因については現在のところ不明である。
(4)励起子分子形成よりもさらに励起強度を強くして、電子と正孔が空間分離しているタイプ-II超格子において電子・正孔液滴が形成に関する研究を行ったが、その存在を示す実験結果は得られなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] M.Nakayama: "Oscillator Strength of Pseudodirect Exciton Transition in GaAs/AlAs Type-II Superlattices" Symposium Record of 13th Symposium on Alloy Semiconductor Physics andElectronics. 113-115 (1994)

  • [文献書誌] M.Nakayama: "Biexciton Formation in GaAs/AlAs Type-II Superlattices under extremely Low Excitation Powers" Physical Review B. 51(in press). (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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