研究課題/領域番号 |
05640383
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
市川 公一 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (10081431)
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研究分担者 |
田口 幸広 大阪府立大学, 工学部, 助手 (80236405)
田中 智 大阪府立大学, 工学部, 助手 (80236588)
曽田 一雄 大阪府立大学, 工学部, 講師 (70154705)
会田 修 大阪府立大学, 工学部, 教授 (30006457)
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キーワード | 内殻励起子 / 共鳴光電子分光 |
研究概要 |
内殻励起子の無輻射崩壊過程の研究をするために、Cl L_<2.3>吸収領域において塩化リチウムおよび塩化ナトリウムの共鳴光電子スペクトルを分子科学研究所のストレージリングUVSORのBL‐2B1の装置を利用して測定した。その結果、価電子帯やCl 2p準位のスペクトル強度は吸収スペクトルとは無関係に励起エネルギーの増加と共に単調に減少するのみであるが、Cl L_<2.3>-VVオージェピークの強度は吸収スペクトルにほぼ比例することが分かった。さらに、内殻励起子によるものと思われるCl L_<2.3>吸収スペクトルの第一ピーク付近の励起光では、オージェスペクトルの形状変化およびオージェ電子の運動エネルギーが約0.5eV変化することが認められた。 これらの測定結果から、Cl L_<2.3>内殻励起子は主にオージェ過程で崩壊し、以前に測定した同じ物質のLi LやNa L_<2.3>内殻励起子の場合とは異なり、励起子を形成していた正孔と電子が再結合し、そのエネルギーを価電子帯や内殻電子に与える直接再結合過程では崩壊しないことが分かった。(Li KやNa L_<2.3>内殻励起子の場合はオージェ過程と直接再結合過程の双方で崩壊する。)これらの結果は陽イオンの内殻励起子と陰イオンの内殻励起子とでは価電子帯や伝導帯の状態を反映して、その崩壊過程が異なることを意味していると思われる。 また、励起子がオージェ過程で崩壊した終状態においては、もともと励起子を形成していた電子と、価電子帯の二つの正孔が束縛状態を作り、そのためにオージェスペクトルの形状変化やオージェ電子の運動エネルギーの変化が起こると考えられる。
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