研究概要 |
研究計画調書に述べた研究計画・方法に従い研究を行い、下記の結果を得た。 1 KH_2PO_4(KDPと略称)の単結晶を作成した。なお重水素化したKDP単結晶は現在作成中である。 2 ネットワークアナライザー(HP-8510B)を用いて45MHz〜20GHzの高周波数範囲に亘って複素誘電率が測定できるシステムを完成した。現在、このシステムを用いてKDPの複素誘電率の予備的測定を行なっている。相転移点付近での誘電率が極めて大きくなるため(1000程度)、測定には十分注意を要するが、測定試料の直径を1mm以下にすることにより測定は可能と判断している。 3 測定温度領域が100K〜室温であり、特に相転移点近傍では、温度に敏感な誘電率を測定するため精密な温度制御装置を必要とする。そこでPID制御装置を用い、0.1度の精度で温度制御するシステムを製作した。 4 KDPについて同軸線法と透過法を用い、1GHz,9GHz,24GHzと35GHzでの複素誘電率はすでに測定が完了しており、その結果からKDPの相転移点付近での分散は、一種類であり、Debye型の単分散であることが分かった。この結果は第8回強誘電体国際会議(平成5年8月、Gaithersburg USA)で発表した。
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