研究課題/領域番号 |
05640410
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鈴村 順三 名古屋大学, 理学部, 助教授 (90108449)
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研究分担者 |
大野 義章 名古屋大学, 理学部, 助手 (40221832)
吉岡 英生 名古屋大学, 理学部, 助手 (40252225)
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キーワード | 擬一次元有機導体 / スピン密度波 / 運動量分布 / 集団励起モード / DCNQI塩 / 強相関電子系 / 比熱 / 金属-絶縁体 |
研究概要 |
低次元電子系のスピン密度の揺らぎを調べるため、擬一次元有機導体におけるクーロン斥力の効果について次の2つの研究を行った。 1.低次元系の量子揺らぎとして、スピン密度波(SDW)状態における集団励起モードを研究してきた。電子が半分充満する場合のSDWの縦モード及び横モードのスペクトラム、重み及び磁化率を計算しスピン揺らぎが支配的であることを明らかにした。現在、この結果を発展させて4分の1占拠される場合について数値計算を行っている。又、擬一次元の典型的な系である2本の鎖の系を取り扱った。この系の低エネルギー励起は、一次元のスピン揺らぎと電荷揺らぎで記述されるが、鎖間電荷移動のため一つの揺らぎのモードにギャップが生じて揺らぎが抑えられることを示した。さらに相互作用の平面における相図や運動量分布を計算しこの系の電子状態を明らかにした。 2.銅が混合原子価状態である有機導体DCNQI塩の金属(M)一絶縁体(I)相転移を一次元周期アンダーソン模型を用いて調べた。絶縁状態での局在スピンの出現を、強相関電子状態の計算により示した。温度を変化させた場合のM-I及びM-I-M転移における比熱、磁化率の振る舞いを数値計算により示し、さらにこの様な物理量にたいする次元性の効果について調べてきた。 この二つの研究では、解析的な定式化を基し、数値計算の結果をグラフ処理するという定量的研究を行った。今年度に購入したプリンター(キャノン、A404 Gll)を用いて、パソコンからのデータをグラフにして保存した。これらの研究を遂行するため、資料収集整理、他大学の研究者と研究検討を行った。
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