研究課題/領域番号 |
05640420
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
大野 隆 徳島大学, 工学部, 助教授 (70035640)
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研究分担者 |
岸本 豊 徳島大学, 工学部, 助手 (80201458)
金城 辰夫 徳島大学, 工学部, 教授 (50035606)
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キーワード | 高濃度近藤系 / 非晶質 / NMRスペクトル / スピン-格子緩和率 / コヒーレント近藤効果 |
研究概要 |
1.はじめに 重い電子系物質の低温でのcoherent Kondo効果は、f電子が規則的に並んでいることによるとされている。f電子の並びを不規則にした系ではこのcoherent Kondo効果はどのような影響を受けるかを微視的に明らかにする為に非晶質CeCu_6を^<63>Cu及び^<65>Cuの核磁気共鳴により調べる。 2.研究経過 スパッター法で作られた試料を0.5mm角以下に細断する。^<63>Cu及び^<65>Cu核のNMR信号を1.47K-30Kの温度範囲で測定した。試料が粉末でないこともあり信号強度は強くないので積算平均回数を可能な限り多くとった。NMRスペクトルの温度変化と、そのピークの位置でのスピン-格子緩和時間T_1の温度変化を測定した。 3.研究成果 (1)NMRスペクトルはナイトシフト=0の^<63>Cuと^<65>Cu核のピークを中心に非常に幅広い。これは結晶の場合に報告されている結果と似ているが半値幅は結晶の場合よりずっと大きく非晶質構造を反映している。 (2)核磁化の回復は幅広いスペクトルを反映し単一指数関数的でない。これはCuの核スピンIが3/2であることと多くのサイトの異なるT_1が重なって観測されている為である。結晶の場合に報告されている論文に従い短いT_<1S>と長いT_<1L>を評価しその温度変化を調べた。長いT_<1L>はほぼKorringa則に従い4fスピンの影響を受けないCu核の緩和と考えられる。短いT_<1S>はほぼ一定でこれも結晶の場合に似ているが、大きさは結晶の場合より短くなっている。 4.まとめ (1)NMRスペクトルは非常に幅広く、半値幅の増大は確かに非晶質構造を反映していると考えられる。 (2)短いT_<1S>は結晶の場合より短い値を与え、single site modelの描像と合う傾向を示すが、スペクトルが非常に広く核磁化の回復曲線がmulti-exponentialなのでT_1の評価の問題点を拭いきれない。 (3)Kondo温度T_Kやcoherent Kondo温度T^*は決めることができず、NQR測定が必要と考えられる。現在NQR測定を進めている。
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