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1994 年度 実績報告書

酸化物高温超伝導体の反強磁性相における低温磁気秩序のNMRによる研究

研究課題

研究課題/領域番号 05640425
研究機関琉球大学

研究代表者

二木 治雄  琉球大学, 教養部, 助教授 (80145549)

研究分担者 冨吉 昇一  愛媛大学, 工学部, 教授 (50005922)
矢ケ崎 克馬  琉球大学, 理学部, 教授 (70045037)
キーワード酸化物高温超伝導体 / 反強磁性体 / 核磁気共鳴(NMR) / 核四重極共鳴(NQR) / スピン-格子緩和時間 / スピン-スピン緩和時間
研究概要

反強磁性相における酸化物高温超伝導体YBa_2Cu_3O_<7-δ>(YBCO)の低温磁気秩序を研究するために、水素をドープした粉末資料YBa_2Cu_3O_<6.1>H_<0.14>を作製し、その水素をプローブとしたプロトンNMRとCuサイトのCu NQRを行った。
1.プロトンNMRの線幅の温度依存性から、(1)水素原子はCu(1)サイト近傍にトラップされる。(2)20K以下での線幅の急激な増大によりCu(1)サイトに低温で微弱な内部磁場が生じ、低温での磁気秩序に変化が生じている。
2.Cu(1)サイトの^<63>Cu NQRから、(1)80K以下では、結晶内部に振動磁場が存在し、その揺動磁場の影響で、T_1^<-1>は40K、T_2^<-1>は20Kでそれぞれ極大を示し、20K以下でプロトンNMRの線幅の増大が生じる。(2)中性子回折の実験結果を考慮すると、揺動磁場の原因はCu(1)またはCu(2)サイトに部分的に生じたstaggeredなCu^<2+>モーメントと考えられる。
3.Cu(1)サイトのCu NQRの測定から、80K以上ではT_1の緩和機構が変化し、共鳴周波数も大きく変化する。(1)80K以上260Kまでの測定では、T_2^<-1>は260Kまで増大し続けるが、ネ-ル温度が410Kであるにもかかわらず、T_1は260K付近ですでに一定になる。(2)共鳴周波数の温度変化の原因はCu(1)のよじれ振動と考えられる。この温度領域でのT_1への寄与を検討したところ、よじれ振動によって説明できることがわかった。今後、Cu(2)モーメントによる磁気緩和の影響がどの程度あるかを検討する必要がある。また、これらの研究過程で開発改良した機器を他の実験に使用することによって、より精度良い測定が可能になった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Hauro Niki: "Hydrogen-doped Antiferromagnetic YBa_2Cu_3O_<7-δ> H_X as Studied by Proton NMR and Cu NQR"" Zeitschrift fur Naturforschung. 49a. 401-406 (1994)

  • [文献書誌] 二木治雄: "強相関系物質のNMR" 東北大学金属材料研究所新素材開発施設共同利用研究報告書. 5. 78-81 (1994)

  • [文献書誌] 二木治雄: "強相関系物質のNMRとNQRによる研究" 東北大学金属材料研究所新素材開発施設共同利用研究報告書. 6. (1995)

  • [文献書誌] Haruo Niki: "Inequivalent Reorientation of Trichloromethyl Groups in 1,4-Bis(Trichloromethyl)Brnzene as Studies by Pulsed ^<35>Cl NQR" Zeitschrift fur Naturforschung. 49a. 273-278 (1994)

  • [文献書誌] Masao Hashimoto: "^<35>Cl NQR Relaxation and Hydrogen Bond in Some Chloral Hemiacetals" Zeitschrift fur Naturforschung. 49a. 279-285 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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