研究課題/領域番号 |
05640427
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
伊藤 正久 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (90124362)
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研究分担者 |
塩谷 亘弘 東京水産大学, 水産学部, 教授 (30087415)
小泉 昭久 姫路工業大学, 理学部, 助手 (00244682)
坂井 信彦 姫路工業大学, 理学部, 教授 (60013497)
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キーワード | 非晶質合金 / 磁性 / 磁気散乱 / 円偏光X線 |
研究概要 |
(1)非晶質合金作成装置として新たに、アーク溶解炉内直接急冷装置を開発・作製した。これは、溶融合金試料にハンマーを衝突させることにより、試料を急冷するものである。これにより、1cmx1cm程度の広い面積で均一厚さの試料が作成可能となり、実際に、3d遷移金属一希土類系の新しい非晶質磁性合金、Gd_3FeAl及びY_3FeAlを作成することに成功した。X線回折によりこれらの合金が非晶質であることを確認した。 (2)上記の非晶質合金の磁化測定(4K-300Kでの直流磁化、及び、180K-300Kでの交流帯磁率)を行い、非晶質Gd_3FeAlに関して次のことがわかった。(a)低温では強磁性(あるいはフェリ磁性)を示し、キュリー温度は約250Kである。(b)非晶質磁性合金特有の軟磁性を示す。(c)測定された飽和磁化(20mu_B/f.u)からGDの磁気モーメントとFeの磁気モーメントが反平行に結合しているフェリ磁性であることが推定される。非晶質Y_3FeAlについては、低温(4K)での測定磁化がきわめて小さく、ミクト磁性となっている可能性がある。 (3)これら非晶質磁性合金の原子構造、及び、磁気構造を明らかにすべく、円偏光放射光を用いたX線磁気散乱実験の準備をすすめた。本年度は主にX線磁気散乱用の電磁石の整備を行った。実際に磁場の測定を行い、所定の磁場(4cmのギャップに約4kOe)が発生していることを確認した。 (4)Laves相(3d遷移金属一希土類の金属間化合物の代表的な結晶相)属するHoFe_2の磁気コンプトン散乱実験より、Hoのスピン磁気モーメントは温度とともにその大きさを変え、さらに、210Kの補償点を境にその方向が反転することがわかった。
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