代表者は平成5年度前半では高分子ゲルでの相転移現象を調べその成果の一部は次の研究業績中の第1論文(Theory of Phase Transition in Gels)に発表されている。第6論文(Osmotic…)ではこの対象での学会内の論争についてのコメントを発表している。ゲルでは網目構造が必然的に乱れており体系を膨潤したり変形すると長距離まで及ぶ極めて複雑な弾性的変形がひきおこされる。このようにしてできる密度ゆらぎについては中性子散乱手法で近年において精力的に調べられている。代表者はこのようなランダムな構造に対し理論をつくり数値解析をした。 平成5年度後半では高分子系における相分離現象についての研究を発表するとともに、国際会議において4回招待講演をしその際の発表論文は平成6年度前半に出版される予定である。 また、本研究のはじめに計画されていた弾性体の相分離現象の数値解析についてはモデル化が進み数値解析が現在続行中であり次年度に引きつがれている。ここでは移序変数が非保存の1次転移をする体系を考えており移序と弾性変形が結びついている。上記のゲルにおける相分離現象はよく似た側面をもっており新たな研究の教訓となっている。 本研究のための補助研究費の大半はSONYワークステーションの購入にあてられ上記研究遂行中大変役に立っている。また若い院生諸氏の研究においても役立っている。
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