研究概要 |
準備 1.まず、この研究に必要な高時間分解能磁場データを整備した。既に収集済みの北米IMS磁力計ネットワーク(10s)、北欧IMS磁力計アレイ(10s)データに、Kakioka(1s),Syowa(1s),Iceland(1s),GOES衛星の最近のデータを加え、さらに、特定現象についてEISCAT CROSS磁力計(20s)、SAMNET(5s)、AMPTE/CCE/IRM衛星、COMOSM(1s)のデータを集めた。 2.SCのリストを作った。 3.時系列・偏波プロット、周波数解析、相関解析等の解析用プログラムを整備した。 解析. 1.柿岡のSCの1秒値プロットを作り、微細構造を調べた。D成分は、LTによらず東向きに変化している。Fukushima(1967)の提案に従って、image dipoleによる磁場の柿岡での日変化を季節毎に計算した結果、季節変化・日変化がほぼこれで説明出来ることがわかった。 2.1991年3月24日に起こった磁気嵐の急始部(SC)について、COMOSM-J(1秒値)、SAMNET(5秒値)、EISCAT Magnetometer Cross(20秒値)、日本でのHF Dopplerデータを用いて解析を行った。このSCは昼側観測所の立ち上がり(H成分)の初期の部分に異常に鋭く(継続時間30秒位)異常に大きな(柿岡で202nT;今までのSCの最大振幅=124nT)パルスが現れている点で極めて特異である。今までに、下記2点がわかった。(1)観測されたパルスは、強く鋭い圧縮波が磁気圏内を昼側から夜側へ向けて数100km/sの速度で伝搬した結果と考えられる。(2)このパルスの主エネルギーは(1)のモードで伝わったが、その立ち上がりは汎世界的に同時に出現しており、瞬時伝搬モードの存在を示唆する。 公表 解析結果は、地球電磁気・地球惑星圏学会(93/10/12-14)、STE研究連絡会(94/1/20-21)で発表した。現在、英文論文を準備中である。
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