1.1991年3月24日の特異SC現象について昨年に続いて考察した。 結果をJ.Geophys.Res.誌に投稿し、査読者と論争している。 2.上記SCの特異さは、その初期に現れる鋭く大きなパルスにあり、それが磁気圏内を伝播するわずか数分間のうちに、荷電粒子を加速して放射線帯を作ったことで有名である。この現象により、SCが粒子加速に効くことが明らかになったので、過去に観測された大振幅SCを調べた。 1924-1994年の71年間に柿岡観測所で観測されたH成分振幅が40nT以上のSCは140ある。最大のSCは1940年3月24日に起こっており、その振幅は273nTである。上記の1991/3/24のSC(202nT)は、第2位にランクされる。 3.1995年5月13日に、きく6号(ETS-VI)が、継続時間3-5時間の負のSI(Sudden Impulse)を観測した。この時のWIND衛星の太陽風データは、密度60-70個/ccの濃いプラズマの中に存在する密度数個の希薄バブルが、この負SIの原因であることを示している。この希な太陽風構造が何なのか、CME構造とも関連させて調べている。 4.オーロラ帯の午前側と午後側でほとんど同じ波形で出現する地磁気脈動(Pc5)について解析した結果、太陽風動圧の振動に起因する事が明らかになった。結果をまとめて論文に発表した。
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