研究分担者 |
菊池 崇 通信総合研究所関東支所, 平磯太陽地球環境研究センター, センター長
行松 彰 国立極地研究所, 研究系, 助手 (70260007)
門倉 昭 国立極地研究所, 研究系, 助手 (70185883)
宮岡 宏 国立極地研究所, 情報科学センター, 助教授 (10150046)
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研究概要 |
1992年2月から1993年1月までの1か年の期間につき,昭和基地及びアイスランドのイメージングリオメータデータを光磁気ディスク上に編集コピーし,サマリープロットを作成した。さらに,国立極地研究所内のローカルエリアネットワークを経由して,これらのデータを大型電子計算機の12インチ光ディスク上にデータコピーを作成した。この期間中,アイスランドで1か月の欠測があった他,両地点とも良好なデータが取得されている。 サマリープロットにより,両地点の吸収現象を統計的に比較したところ,次のような特性が得られた。(1)冬期の吸収は夏期に比べ2倍程度大きく,このため春秋期を除き,顕著な南北半球非対称性が現れている。(2)夕方から真夜中に出現するオーロラ吸収(AA)は細かい空間構造を持つのに対し,早朝から昼にかけての磁気圏ドリフト粒子による吸収(SVA)はイメージングリオメータの視野全体に広がるような大きな構造をもつ。(3)AAに関しては,南北半球間で,厳密に同時に現象が出現することは少なく,通常10分〜20分の時間差をもって出現する。一方,SVAについては,両半球でほぼ並行的な時間変動が見られる。 次に両地点の吸収画像の比較を行った。一年間のデータの中に形状の似通った吸収現象が両地点で同時に観測された例が数十例見つかった。これらの吸収が両イメージングリオメータの視野に占める位置の相互関係を調べると,昭和基地で見られる吸収はチョルネスで見られるものより50km程度高緯度側にずれている場合が多く見られた。磁気圏磁場モデル計算によれば昭和基地の地磁気共役点はチョルネスより数10km低緯度側に位置することになり,これが観測事実により確認されたものと考えられる。
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