研究概要 |
1.岡山県後月郡川上町に分布する高山石灰岩の原始的紡錘虫に基づく生物層位に関する研究を行った。高山石灰岩の野外調査を行い、石炭系には塩基性火山砕屑岩が最下部に存在し、その上位に石灰岩と塩基性火山砕屑岩の互層が堆積し、その上位に塊状石灰岩層が存在することが判明した。また、室内研究により、石灰岩と塩基性火山砕屑岩の互層部には原始的紡錘虫類と小型有孔虫であるEndothyra類よりなる微化石帯が存在することが判明した。微化石帯は下位より上位へ、Mediocris mediocris Zone,Mediocris mediocris-Zellerinella Zone,Pseudostaffella minuta Zoneが順次かさなっている。Mediocris mediocris Zoneの構成種はM.mediocris,M.breviscula,M.ovalis,Quasiendothyra japonica,Hexaphyllia?sp.であり、Mediocris mediocris-Zellerinella ZoneはM.mediocris,M.breviscula,M.ovalis,Zellerinella sp.A,Z.sp.B,Z.sp.C,Quasiendothyra japonicaからなり、そして、Pseudostaffella minuta ZoneはEostaffella kanmerai,E.akiyoshiensis,Millerella sp.,Ozawainella japonica,Pseudostaffella minuta,P.kanumai,P.taishakuensisからなることが判明した。 2.岡山県新見市東部に分布する阿哲石灰岩の光遠層群名越層と小谷層の野外研究をおこなった。模式地の名越-森国ルートで層序を検討し、また、タイプ層序の西方に分布する同層の層序を検討し、タイプ層序に準ずることが判明した。 3.広島県東城町に分布する帝釈石灰岩よりFusulina群集を発見した。本層群はFusulina sp.A,F.biconica,F.taishakuensisからなることが判明した。
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