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1993 年度 実績報告書

海洋環境の変動による底生有孔虫群集の変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05640519
研究機関鹿児島大学

研究代表者

大木 公彦  鹿児島大学, 理学部, 助教授 (90041235)

研究分担者 東川 勢二  鹿児島大学, 水産学部, 教授 (10041708)
大塚 裕之  鹿児島大学, 理学部, 教授 (50041223)
早坂 祥三  鹿児島大学, 学長, 教授 (20041212)
キーワード海洋環境 / 海水準変動 / 底生有孔虫 / 海洋汚染
研究概要

申請者らは有明海,八代海,鹿児島湾,名瀬湾の海底から柱状試料を採取し,その中に含まれる底生有孔虫・浮遊性有孔虫の同定および群集解析,軟体動物・マクロベントスの同定と群集解析および堆積学的分析(粒度分析,砂粒分析,ソフトX線撮影など)を行なっている。とくに鹿児島湾では,湾奥部北東に位置する海山の水深80m付近周辺域から熱水に特有なハオリムシが発見された。この海域には多くの火山性海底噴気が存在しており,この発見は世界で最も浅い記録になる。ハオリムシのコロニーの周辺から採泥し,その中の底生有孔虫を現在調べている。また,この海域の水深200m凹地にも多くの火山性海底噴気が点在し酸性水塊が発生している。新たに柱状試料を採取し,酸性水塊の消長と底生有孔虫との関係を調べ,水深200m凹地では少なくとも大正時代以前から酸性水塊は存在し,水深140mの海底付近へは1960年頃を境に酸性水塊の影響が及んだことが明らかになった。
一方、名瀬湾から得られた柱状試料では,泥からサンゴ片を多く含む砂礫に漸移している。下位の泥層は,含まれる底生有孔虫や炭質物から内湾の泥と考えられ,底生有孔虫の中ではAmmonia beccariiのtepida typeが卓越することから内湾度が高かったと思われる。ウルム氷期以降の,海水準がまだ低い時期の堆積物の可能性がある。上位の砂礫層は,その大半がbioclasticsからなることより高エネルギー下の堆積物と考えられ,海水準の上昇,水温の上昇によって現在に近い環境下で堆積したと推定される。これらの試料について,^<14>C法による年代測定を依頼しており間もなく結果が明らかになる予定である。他の海域の試料についても早急に底生有孔虫やその他のベントスの群集解析を行ない,報文を完成させる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 大木 公彦: "底生有孔虫群集による名瀬湾の堆積環境の変遷" 第四紀研究. (予定). (1994)

  • [文献書誌] 大木 公彦: "鹿児島湾奥部の火山性海底噴気活動と底生有孔虫群集" 第四紀研究. (予定). (1994)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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