研究課題/領域番号 |
05640534
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
北川 隆司 広島大学, 理学部, 助教授 (70112167)
|
研究分担者 |
星野 健一 広島大学, 理学部, 助手 (80190198)
渡辺 洵 広島大学, 理学部, 助教授 (80033900)
竹野 節夫 広島大学, 理学部, 教授 (00033829)
|
キーワード | 粘土鉱物 / 雲母粘土鉱物 / マイクロトポグラフ / レクトライト / 結晶成長 |
研究概要 |
本研究は2年間にわたる研究であるが、本年度までの研究結果をまとめる。 本研究の目的である粘土鉱物の生成環境の違いによる結晶成長機構の解明のため選ばれたのは、島根県飯石郡三刀屋町にある井儀鉱体から採取した雲母粘土鉱物(セリサイト)と、長崎県五島にあるロウ石鉱床より採取された規則型雲母/スメクタイト混合層鉱物(レクトライト)である。いずれも熱水作用により、母岩が変質して粘土鉱物化している。 本研究のため購入した温度制御可能な遠心分離器により、セリサイト試料を粒度ごとに分離し、それぞれ試料中のセリサイトの形態を透過型電子顕微鏡により観察したところ、細粒な結晶はほとんど短冊状形態であるが、結晶が大きくなると、不定形板状形態となる。また詳細にその変化を観察すると、短冊状結晶は平行連晶により結晶は大きくなり、しだいに不定形板状になる。この変化は結晶表面に残されている結晶成長模様から判断すると、このセリサイトは小さな結晶がひついてそれがいっしょになって成長する。この場合今まで言われているようなOstwald ripeningによる成長ではないようである。この結果は1993年第10回国際粘土会議にて発表した。 次にレクトライトであるが、混合層鉱物の結晶成長に関しての研究は、世界的にみても最近研究に手がつけられ始めたところである。本研究ではレクトライトの結晶表面のマイクロトポグラフを詳細に検討し、どのような結晶成長機構であるか検討した。その結果、セリサイトと同じように渦巻成長をしていることがわかった。また明確なあやおり模様が観察でき、セリサイト様層とスメクタイト様層とが60度ずれて成長しているらしいことがわかった。
|