研究概要 |
近年シリレン,シレン,ジシレンなどの含ケイ素不飽和化学種の遷移金属錯体の合成が注目されている。我々は含ケイ素小員環化合物(I,II)と金属カルボニルとの反応でトリメチレンメタン錯体のケイ素アナログ(III,IVR=Mes)を合成できることを確立した。Full PeparをPublishでき,さらにゲルマニウム類似体の合成を展開した。対応する含ゲルマニウム小員環(V,R=Mes)は合成収率も低く不安定で加水分解物を得るのみに終わった。一方嵩高い置換基R=Disの場合にはVを単離できたが,嵩高いために金属カルボニルとの反応は進行しなかった。しかしこの研究から含ゲルマニウム小員環化合物をはじめて単離・確認することができた。今後ゲルマニウム・スズ類似体の合成については二価活性種を用いると必然てきに嵩高い置換基の導入が必要であるからに価活性種をつかわずにジインカップリング等の炭素-炭素結合生成による方法を検討すべきである。
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